元介護福祉士ナックルの情報ブログ

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一度きりの訪問入浴利用者はかなり多くいます。今回は、その中でも私の心に残ったGさんのお話しです。

 

 

 

 

 

ある日、Aケアマネージャーからかなり慌てた様子で、私の携帯に一本の電話がありました。

 

Aケアマネ「お世話になってますナックルさん、

明日退院してくるGさんという方がいます。

ターミナルで余命は数日、点滴されています。

家族、御本人ともに最後亡くなる前に入浴を希望されています。

お昼に自宅に戻られますので、明日の夕方ぐらいを入浴希望です。なんとかなりますか？」

 

 

ここは迷わず、

 

ナックル「わかりました。御本人さんお昼に自宅にお戻りでしたら、

明日の13時に事前訪問、18時に入浴というのはどうですか？」

 

Aケアマネ「了解しました。では、調整してみます。Gさんの情報送りますね。」

 

そして、送られてきた情報をみて、Gさんは男性、

体格がかなりいい方だということがわかりました。

 

 

そして、もう一つその情報には「お風呂には3か月入っていない」

と書かれていました。

 

 

次の日、13時にGさんの自宅に事前訪問にいきました。

 

ナックル「はじめまして、今日の18時に訪問入浴の

担当させて頂きますナックルと申します。宜しくお願いします」

 

Gさんは、すでに黄疸が出ており、話すことが出来ない状態で、「こくり」とうなずいてくれました。

 

介護人さんは奥さんで

 

 

 

奥さん「宜しくお願いします。主人は本当に昔からお風呂が好きで、

最近はこんな調子で、全然お風呂に入れてませんでした。。本当宜しくお願いします。」

 

 

ナックル「わかりました。Gさんが気持ちよくお風呂に入れるように全力を尽くします。楽しみにしていて下さいね。」

 

 

そして、18時、Gさん宅へ訪問しました。

 

 

 

ナックル「Gさん、寝たままで入れるお風呂なんで、安心してくださいね。」

 

 

 

そんな会話をしながら、Gさんのつけている点滴に注意しながら、お風呂に移動しました。

 

 

ナックル「Gさん、痛くなかったですか？気分悪くないですか？」

 

 

と聞くとGさんはまた「こくり」とうなずいてくれました。

 

 

ナックル「良かったです。」

 

女性スタッフが、頭を洗い、次は身体を洗うのですが、

 

 

ナックル「奥さん、もしよろしければ、一緒にお身体洗いませんか？」

 

 

と声をかけました。

 

奥さん「お願いします。」

 

スタッフ三人と奥さんの４人で身体を洗います。

 
奥さん「病院では、こんなサービス受けられない。家に帰って来て良かったね。最後の最後にお風呂に入れて良かったね。」

 

 

 

と奥さんがいうと今まで「こくり」としかうなずかなかったGさんが、はっきりとした声で

 

 

 

 

 

 

「気持ちいい！！！」

 

っていってくれたんです。

 

 

 

私の中で衝撃的でした。絶対にしゃべることのなかったGさんが声を出したんです。

これには奥さんもビックリしていました。

 

これは、もう医学的には証明出来ない「何か」があるんでしょうか？

私自身ビックリした反面めちゃくちゃ嬉しかったことを今でも覚えています。

 

 

 

 

そして次の日、

 

 

 

Gさんは、この世を去りました。

 

 

Aケアマネの話しでは、奥さんもたった２日だったかも知れないけれど、

家に帰れて良かった。そして、最後にお風呂に入れて良かった、

綺麗な身体でいけて良かった、最後に「気持ちいい」と感じて良かった

と私の介護に悔いはないと言っていたそうです。

 

 

訪問入浴介護は本当に大変な仕事です。

しかし、このように利用者さんから感謝されたり、笑顔を見れたりするような

仕事は、他にはない気がします。そして、絶対にお金では買えません。

 

そこにやりがいがあるのかも知れません。
 

 

 

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